パソナの淡路島移転、高まる地元期待 南部氏の本気度は

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天野剛志 後藤遼太 聞き手・天野剛志
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 人材サービス大手のパソナグループ(東京)が、主な本社機能を兵庫県淡路島に移すことを明らかにした。約1200人が移住する計画で、新型コロナウイルスの感染拡大で決断したという。企業の東京一極集中を変える流れにつながるのだろうか。

1LDK→3LDK、家賃は10万円安

 「これから経営会議は毎回、淡路島でやる」。パソナグループの南部靖之代表(68)は9月9日、経営幹部を淡路島内に集めた会議で話した。9月はじめから、新人約60人を含む社員約80人が島内各地で新たに仕事を始めている。

 グループの計画では、東京で人事や財務経理、経営企画など本社機能の業務を担う約1800人のうち、約1200人を2024年5月までに島内に配置する。島北部を中心にオフィスを複数設ける。「真に豊かな生き方、働き方」や、「災害などのリスクに備えるBCP(事業継続計画)」の実現を掲げる。オフィスの賃料が東京に比べて格安なことも利点の一つだという。登記上の本社は引き続き東京に置く。

 グループは08年、農業で雇用を生み出すとして淡路島に進出。今では「クレヨンしんちゃん」「ハローキティ」などのキャラクターをテーマにした施設やレストランのほか、宿泊施設、劇場なども展開している。

 南部代表は神戸市出身。家賃の高さや通勤の大変さなど、東京を拠点とすることに以前から問題意識を持っていたという。「社員の意識は変わっている。コロナが決定づけた」と話す。

1200人もの人員を淡路島に配置するというパソナの野心的な計画ですが、その理由や地元との関係をどう考えるのか。記事の後半では南部靖之代表のインタビューもあります。

 8月に妻、長女(2)と共に島へ引っ越したグループ会社員の岡田智一さん(38)は、「仕事はリモートでできる。心豊かに働き、子どもが自然の中で育つ。そういうことを重視したかった」と言う。東京では1LDKだった部屋は3LDKになり、家賃は10万円安くなった。このマンション1階には、幼児向け英会話教室ができる予定だ。

 グループは新たに社宅約25…

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