「信用取引」とは?
SBI証券のホームページには信用取引を次のように定義しています。
『現金や株式、投資信託を担保として証券会社に預けることにより、その担保合計金額の約3倍の購入資金や株式を借りてお取引が可能となる株式取引』
つまり、もしあなたが100万円持っているとするなら、約3倍の300万円分の株が買えることになります。
一方、100万円の資金をもっている人が100万円分の株を買うことを「現物取引」といいます。現金と株の等価交換を意味します。
私は初心者の方には「現物取引」だけをおすすめしています。自己資金を上回る金額の株を保有することはリスクもそれだけ大きくなります。思惑通り上がれば万々歳ですが、思惑が外れると大変なことになるからです。
信用取引の特長
投資経験を積んである程度経験と実績を積むと、リスクを承知のうえで「信用取引」に手を出すこともあります。なんといっても「信用取引」には「現物取引」にはない次の特長があるのです。
1.レバレッジ(てこ)
手持ち資金の3倍まで株が買えます。
(3倍のレバレッジがきくので、利益も3倍になる可能性がある。反対に損失が3倍になる
リスクもある)
2.カラ売り
現物の株を持っていないのに売ることができる。
空売り(カラ売り)とか信用売り(しんよううり)という。
市場環境が悪いときなどは、買いではなく売りで利益を上げることもできる。
※信用買い、信用売りとも6ヶ月以内に反対売買をして精算する必要がある。
レバレッジを効かせるとは
信用取引の最大のメリットは「自分が持っている資金以上の取引を行うことができる」ことです。これを「レバレッジ(梃、てこ)を効かせる」といいます。
仮にあなたが所有している株が30%値上がりしたとします。
普通ですと100万円が130万円に増えますから30万円の利益になります。
ところが、信用取引で3倍のレバレッジを効かせていた場合、300万円分の株を買えますから、利益も3倍の90万円になるのです。
反対に株価が30%下がったときは、現物株で100万投資していたら30万円の損失で済みますが、3倍のレバレッジで買っていたら90万円の損失になります。
ひどい場合には40%値下がりすると120万円の損失になり、自己資金がマイナスになってしまいます。そうなりそうな時に証券会社から追加保証金(略して「追証」おいしょう)を入れるよう連絡がきます。追証を払えない場合は強制的に精算する羽目になり、昔よく「米相場で一文無しになった」という話があったのはすべて信用取引で大きなレバレッジを効かせていたのが裏目にでた場合です。
「信用取引」も使い方次第
こうしてみると、信用取引には近づくなというメッセージになりますが、今日はもうひとつ大切なことを申し上げます。リスクヘッジに信用売りをするやり方です。