経済と経営

私は今、お金持ち? (その1)

お金がまったくないときは「自分はお金持ちでない」とハッキリ分かりますが、ある程度の資産ができると、自分はお金持ちなのか、まだお金持ちではないのか分からなくなります。
昔に比べて余裕ができたのは事実だけど、世間のお金持ちと比べたらまだまだという気持ちが消えません。そこで世間の相場を理解し、まずは世間平均を上回ることを考えてみましょう。

「期待純資産=年齢×現在の年収×0.1」

『となりの億万長者』(トマス・J・スタンリー著)に次のような公式が紹介されています。

「期待純資産=年齢×現在の年収×0.1」

仮にあなたの年齢が50歳で年収が700万円なら、3,500万円の純資産があればOKというものです。「純資産」なので負債があればその分を引かねばなりません。
あなたはクリアしましたか?

これはあくまで「期待」の資産であって「平均」ではありませんので、下回っていたとしてもがっかりしないでください。私も知人数十人ほどにこの公式を見せましたが、数人しかクリアしていませんでした。

日本の場合はどうでしょうか。
いろんな会社が様々な統計を出していますが、今日は厚生労働省の「国民生活基礎調査の概況」のデータをみてみたいと思います。

1世帯当たり平均所得金額は、552万3千円

平成30年時点の1世帯当たり平均所得金額は、552万3千円でした。所得金額を世帯主の世代別で見ると次のようになりました。世帯所得ですから、世帯主だけでなく世帯全員の合計値です。

世帯主の世代 世帯所得
1位:50歳代(50〜59歳) 756万円
2位:40歳代 694.8万円
3位:30歳代 614.8万円
4位:60歳代 566.0万円
5位:70歳代 421.5万円
6位:20歳代 362.6万円
7位:80歳代以 348.7万円

※「国民生活基礎調査」(厚労省)より
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/20-21-h29.pdf

「年金暮らし」は様々

「国民生活基礎調査」によると、公的年金・恩給受給者のいる世帯は 2,532 万7千世帯と、全世帯の約50%を占めています。
また公的年金・恩給を受給している世帯のなかで「公的年金・恩給の割合が100%の世帯」は48.4%という結果がでました。健康寿命が伸びているせいか、この割合は年々減ってきています。
とはいえ、高齢者世帯の7割が年金依存率80%となっているのも現実で、高齢者の所得確保と高齢者の資産増加は欠かせない実情がここにあります。

JIJI.com ホームページより

世帯収入の相場がつかめてきたら、今度は世帯純資産の相場についてお話ししましょう。